『残業代ゼロ』時代の到来!
日本の労働生産性は、国際平均の44.6ドルを下回る40.1ドル。
1位のノルウェーが86.6ドルで、日本の倍以上生産性が高く
「ノルウェー人が1時間でこなす仕事を日本人は2時間かけている」ことになります。
なぜ、日本人はこれほど生産性が低いのでしょうか?
原因の1つに、日本の会社では、毎日遅くまで残業している社員は、
「頑張っている社員」だと評価される旧来の習慣が影響していると考えられます。
残業について、内閣府が行った意識調査で、
1日の労働時間が10時間未満、12時間未満、12時間以上の3グループに対して、
それぞれ残業についてのイメージを尋ねたところ、1日の労働時間が長いグループでは、
53%が残業することで上司から「頑張っている」と思われると感じているのに対し
残業は「仕事が遅い」というネガティブイメージにつながると感じている人は
たったの26%しかおらず、労働時間が長い人ほど、
残業に対してポジティブなイメージを持っていることがわかりました。
この調査はあくまで「上司にどう思われていると感じているか」というアンケートで、
本当に上司が残業をポジティブに評価しているかわかりませんが、
残業をポジティブに評価されると思っている人が上司になった場合は、
当然、部下の残業もポジティブに評価することになります。
この「残業している=頑張っている」といった習慣の会社では、
仕事の成果ではなく、残業時間の長さを競い合う生産性の低い状態となり
このような会社の多い日本が、他国と比較し生産性が低い事は理解できるかと思います。
また、総務省の統計では、
2000年以降、固定給を含む給与は右肩下がりに低下しているのに対し、
残業代は横ばいで推移し、リーマンショック直後一時的な低下はあったが
以降は右肩上がりで増加していることから、長時間の残業で評価され、
しかも残業代で下がる固定給を補填している状況がうかがえます。
このような日本特有の生産性低下スパイラルから脱却するため
安倍首相は、政府会議で、
「時間ではなく成果で評価される働き方にふさわしい、
新たな労働時間制度の仕組みを検討してほしい」
と労働時間規制の緩和を検討するよう指示を出したことから、
政府は、一定要件を満たす労働者は、
残業代や深夜、休日労働への割増賃金の支払いなどを適用しない
「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入を本格化する調整に入りました。
これは、ホワイトカラーであるサラリーマンに対し、
労働時間で賃金を支払うのではなく、成果に対して賃金を払う仕組みで、
無駄な残業を廃止し、生産性を向上させる制度が近い将来、導入されると予測されます。
この制度が導入されると、残業代が出ないので仕事を早く切り上げる職場環境となり、
早く帰れることで時間ができ、副業する人が多くなると考えられます。
また、無くなった残業代以上の収入を副業で得ることにより、
日本の生産性向上に貢献できるのではないでしょうか。